造影剤と画像診断情報サイト Radiology & Interventional

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1. インジェクタを用いて造影剤を注入する際の留意点について

ボーラス投与(急速注入)の際には、注入圧が比較的高くなるため、留置針を用い耐圧性の高い延長チューブを使用します。
また、確実に血管を確保し、ルート内に三方活栓を用いている場合にはルートの開放を確認します。注入開始直後は注入部位を注意深く観察します。

血管確保ではルート確保の際にルート内への血液の逆流を確認し、血管外漏出のモニターとしては注入時の注入抵抗、疼痛の有無をインジェクタの圧波形や、刺入部の目視、触診で確認します。

また、高速注入では、できるだけ太いゲージの留置針を使用したり、造影剤を加温して粘稠度を下げたり、注入部位として右肘静脈からの投与を優先して行うなどします。
留置針は血管外漏出の危険を低減し、留置部位の血管損傷防止やルート内圧力低下等のメリットがあります。
特に細い注射針を使用し高速注入する際には、37度に加温した方が造影剤の粘稠度が低下し注入が容易になり望ましいと考えられます。
なお、イオン性造影剤では、加温は副作用発現率が低下するとの報告もありますが、非イオン性造影剤では不明です。

造影剤の粘稠度と温度の関係
造影剤の粘稠度と温度の関係

造影剤の粘稠度が及ぼす影響(動物実験)
粘稠度が高くなると造影剤と脳血管内皮細胞との接触時間が長くなり、脳血管造影時の神経毒性(局所グルコース利用の増加、BBBの破綻など)に関与する可能性の報告や、冠動脈造影時の虚血発作の誘引となる可能性の報告があります。
したがって、粘稠度の低い造影剤を選択し、体温近くまで加温して使用することが望ましいと考えられます。

2. MRIトピックス -正しく使い分けよう:造影と増強-

画像診断において造影剤が用いられる検査は数多くあります。
上下消化管を対象にしたバリウム検査は一般的に知られている検査の一つでしょう。
ヨード系造影剤を用いては血管造影やCT検査が多く、胆嚢・胆道やリンパ管などの脈管系あるいは脊髄腔および関節にいたる全身が造影検査の対象となっています。
それらはX線検査を前提にした造影剤であり、X線の吸収差を画像上の影として描出されます。
陽性造影剤の代表としてX線吸収の大きな物質としてヨードやバリウムが多く用いられます。
陰性造影剤としては空気が用いられることが多いでしょう。
X線検査の多くはネガポジが反転して表示されますので、陽性造影剤は白く表示されます。
私たちが普段目にする造影後の画像は「白い影」として表示されています。

CT造影画像  MRI造影画像

画像診断ではX線検査の他にMRIや超音波検査でも造影剤は用いられます。
ここで、MRIの造影剤について考えてみましょう。
MRI用造影剤にも陽性および陰性造影剤がありあます。
緩和速度とその時の造影剤の濃度によって白くも黒くも表示されます。
もちろん陰性造影剤は黒くしか表示されません。MRIはX線検査の様な影絵ではなく、測定する物質の緩和速度をコントラストとして表示しています。
MRI用造影剤ではこの緩和速度を促進させ、病巣にコントラストをもたらすことができこの緩和効果をR1およびR2の値として知ることができます。
また数値が大きいほど緩和効果が大きいといえます。
さてここで疑問です、MRIは物質の緩和過程をコントラストして得ており、その緩和を促進するのがMRI用造影剤です。
したがってX線造影剤のように「影」を作っているわけではありません、しかし我々はMRI用造影剤と呼んでいます。
MRIの原理的に基づいて表現するとMRIの造影後は「増強効果」となります。
だからといって、MRI用造影剤を「増強剤」と呼んでいることを聞いたことはありません。増強剤とは何か、栄養ドリンクのようですね。
造影後(あえて造影後と呼びます)の画像を表現するときに、下記に注意して使うと良いと思います。
・X線検査:「造影能」・「造影効果が得られた」など。
・MRI検査:「増強能」・「増強効果が得られた」など。

☆お知らせ☆

L.JP.RI.12.2014.0612


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