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Volume 10 No.1 April 2009
JMRI ■ JMRI
JMRI ■ JMRI

『MRI in Medicine日本語版Vol.10 No.1』を上梓しました。本号は山口大学大学院の松永尚文先生および教室の先生方のお力添えとコメントによって完成しました。多忙な中,素晴らしい本号を作成いただいた松永先生,教室の先生方に心から御礼申し上げます。

本号に収載した15編は最新のJMRI およびMRMから厳選した論文で,興味深く,我々の日常診療にも有用性が高いと考えています。MRI からは CT,超音波等の画像診断法では得られない多くの情報を得ることができますが,今回の論文もMRIの特徴を活かし,その臨床的な有用性を高める論文が多く収載されていると考えます。

ところで,私が現在勤務している病院のある自治体では,住民の検診事業の一環として MRI 脳検診を行っています。昨年度までは70歳以上の住民が対象でしたが,今年からは50歳代の住民にも検診を行っています。

脳検診で発見される異常には無症候性脳梗塞,脳動脈硬化,脳動脈瘤,虚血性白質病変等がありますが,脳血管の狭窄,閉塞,硬膜下血腫,無症候性脳腫瘍等も発見されます。これらの疾患の発生頻度は年齢によって大きな差があり,多くは50~70歳代の年齢で発症することが伺えます。

上記の疾患に対する対応には未だエビデンスに欠けるところが多く,対策に困惑を覚えることが少なくありません。未破裂脳動脈瘤の破裂については年1%とされていますが,必ずしもこの値が正しいとは限らないと考えています。Wieberらの研究ではこれよりかなり低い値が報告されています。虚血性白質病変や無症候性脳梗塞についても,その後の症候性の脳梗塞との関係について未だ十分なデータがない恨みがあります。2008年4月からは特定健診・特定保健指導がスタートしましたが,脳検診の結果をこれらの結果とどのように結びつけるかが大きな問題です。高血圧症,糖尿病,高脂血症,不整脈等が虚血性白質病変や無症候性脳梗塞の発生頻度と深い関係があることが伺えますが,正確なデータは未だ得られていません。今後検討すべき重要な課題と考えています。

MRI の臨床応用が拡大するに伴い,臨床的に検討すべき点が多く指摘されるようになっており,ひいては放射線科医をはじめとする臨床医の研究課題がさらに増加することにも繋がると考えています。MRIの診療に携わる放射線科医がこれらの点に注目し医療に貢献することが期待されます。

  

(熊本大学名誉教授 高橋 睦正)

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