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JMRI ■ JMRI
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『MRI in Medicine Vol.10 No.3』を読者のお手元にお届けしたい。本号では東京大学大学院の大友邦教授と教室の先生方にご尽力をいただいた。『Journal of Magnetic Resonance Imaging』と『Magnetic Resonance in Medicine』の3~6月号から興味深い15編の論文を選んでいただき,編集とコメントをいただいた。MRI についての研究,臨床応用の方向性と傾向を示す,示唆に富む論文である。担当していただいた先生方に心から感謝申し上げたい。

 古い話になって恐縮ではあるが,筆者が放射線医学の修練を始めた頃には放射線診療は胸部と腹部の単純撮影や消化管の透視診断が主体で,核医学や血管造影等はまだ臨床応用が始められたばかりであった。しかも,その他の部位の単純撮影は他の診療科の医師によって読影がなされていた。放射線科医は,外来や病棟で患者の診療にあたりながら上記の読影や透視を行うという診療が多く行われていた。

 筆者は医学部卒業後の1年間,アメリカの病院でインターンシップの修練を行ったが,アメリカでは放射線科医の診断の実力が高いため病院内での役割が極めて大きく,病院の診療が放射線科医の指示によって回っているという印象であった。すなわち,すべての放射線診療が放射線科医によって行われ,report 作成がなされるとともに,各科の医師がそれに大きく依存していた。若い研修医の筆者は,いつかはそのような時代が日本にも到来するであろうと考え,その推進の一翼を担いたいと放射線科に入局したのであった。しかし当時は夢のような理想にすぎず,多くの医師には一笑に付されるのが常であった。放射線診療にはそのような時代があったのである。

 その後,数十年の月日が流れて,CT,MRI,超音波診断,血管造影の大きな進歩がみられた。今や放射線診療を中心となって診療する医師,すなわち放射線科医無しにはこれらの装置を使った高度な診療を的確に行うことが不可能になるほどに発展してきた。これらの新しい技術の臨床導入当初は,他の診療科の医師もみずから診療に応用する努力もあったと思われるが,次第に放射線科医が中心に検査や読影を担当するようになってきた。筆者が数十年前に思い描いた夢がようやく実現しつつある。

 しかし,新しい時代が到来しても,放射線科医のマンパワーが極めて少ないことが放射線科医による放射線診療の実施を阻害していると言わざるを得ない。この状況への対応として応用可能なのが最近発展してきた遠隔画像診断である。本法を応用することにより放射線科医のマンパワーを2倍にも3倍にも増幅させることが可能と考えている。放射線科医の増加を図ってゆくことはもちろん重要であるが,遠隔画像診断を活用してそれを補う方向を模索するのも重要なことである。

 『MRI in Medicine日本語版』は,MRIに興味を持つ放射線科医が気軽に新しい情報を日本語で得る手段として出版され,当初はその目的を果たしたものの,近年は情報収集の手段が多様化・簡便になってきて,本誌の役割が減少してきたことが考えられ,ここに本誌の出版の継続を断念することになった。長い間,御支援いただいた読者,編集者,執筆者および出版に際しご協力いただいたバイエル薬品株式会社ならびにワイリーブラックウェルに心から感謝申し上げたい。

 

(熊本大学名誉教授 高橋 睦正)

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