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Volume 9 No.1 April 2008
JMRI ■ JMRI
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編集後記

『MRI in Medicine』のVol. 9 No. 1を読者の手元にお届けしたい。本号は神戸大学大学院の放射線医学分野の先生方を中心にご担当いただいた。MRIの最先端の研究と臨床の論文が取り上げられており,一読すればこれからの研究,診療に役立つと確信している。杉村和朗教授と教室の先生方をはじめ編集にご協力いただいた先生方に御礼申し上げたい。
一般病院でMR診療に携わっている医師にとって,特に脊髄動静脈の分離,卵巣粘液性嚢胞腫瘍の良悪性診断,FDG-PETと拡散強調画像の診断精度の比較,脳幹梗塞の拡散強調画像の経時的変化などは,今後の診療に有用な知見,技術であると考える。

さて,最近は画像診断すべての領域でコンピュータ支援診断(Computer Aided Diagnosis:CAD)の開発が進み,臨床にも応用されている。特に,乳房撮影,胸部CT,胸部単純撮影,頭部MRA等の領域で開発が進み,既に診断ソフトが発売されている領域もある。その理由には,1)撮像装置およびコンピュータの処理能力が向上し,デジタル画像が一般臨床に広く用いられるようになったこと,2)画素の小さな画像の構成が可能になり,短時間に莫大なボリュームデータが診断に供せられるため,画像診断医の読影の負担を軽減する必要性が増していること等があげられる。

これまでCADでは,特に乳房腫瘍,肺腫瘍の質的診断におけるCTや単純撮影での臨床応用が多かったが,最近MRIの分野にも応用が広がってきている。MRIはデジタル画像であるためCADの適用は容易であることから,画像の客観的な評価の一助となるCADの臨床応用はさらに広まっていくものと考えられる。

CADの応用であるアルツハイマー型認知症早期診断システム(Voxel-based Specific Regional Analysis System for Alzheimer's Disease:VSRAD)は脳,特に海馬傍回の萎縮の程度を客観的な数値として表すもので,埼玉医科大学の松田教授らが2005年に開発した。そのための解析ソフトも無料で提供されるようになっており,MRIの視覚評価を補う方法として高い評価を受けている。
アルツハイマー型認知症での脳萎縮は側頭葉の内側面から始まり,海馬傍回の萎縮が最も早期に認められるので,早期発見のために海馬傍回の萎縮の程度を数値で表す必要がある。最近開発され,臨床応用が行われつつあるVSRADでは,1)海馬傍回の萎縮と脳全体の萎縮の比較を倍率で示すことができ,2)脳全体のなかで萎縮している領域の割合をパーセンテージで示すことができ,3)さらには海馬傍回の中で萎縮している領域の割合を示すことも可能である。

本法は,アルツハイマー型認知症に対して特異度は高いが感度がやや低いことが実証されつつある。今後,現状では有力な診断法がないこの領域で,アルツハイマー型認知症の診断,鑑別診断,治療後の経過観察等に有用性を発揮することが期待される。本法は日本のオリジナルの研究成果であり,今後の臨床応用への活用が広がることを期待したい。

 

(熊本大学名誉教授 高橋 睦正)

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