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Volume 9 No.3  August 2008 左のボタンをクリックすると目次画面が表示されます。
日本語版 Volume9 No.2

監修・・・高橋 睦正

編集・・・福田 国彦

熊本大学名誉教授

東京慈恵会医科大学
放射線医学講座

MRM & JMRI
このサイトでは,JOURNAL OF MAGNETIC RESONANCE IMAGING(JMRI),MAGNETIC RESONANCE IN MEDICINE(MRM)誌よりセレクトされた論文を日本語版でご紹介しています。


画像診断への依存度の更なる増大に応えるために
写真

東京慈恵会医科大学放射線医学講座
福田 国彦

1980年代当初までのNMR画像は大変粗く,CTと同じような臨床利用がなされるとは思ってもいなかったが,1982年にAJRで発表された英国Hammersmith病院での画像には鮮烈な驚きを覚えた。まるで,脳の切片標本を見るような鮮明な脳のMR画像が掲載されたからである。翌年の1983年,0.15T resistive magnet system のMRI装置が慈恵医大にも導入されて以来のMRIとのつきあいとなるが,その30年弱の間に磁場強度は20倍となり3T装置の時代へと推移した。
MRIは常に利点と欠点が表裏一体となって進歩が図られてきた。折り返しアーチファクトはSENSEに応用され,磁化率アーチファクトはBOLD法やSWIに応用される。3T装置では,SNRの上昇に伴う撮像時間の短縮や高分解能画像が得られる一方で,強い化学シフトや磁化率効果が利点にも欠点にもなりうる。また,3T 装置では1.5T 装置よりも,T1 緩和が1.2~1.3倍延長するといわれ,T1強調画像では脳の皮質髄質コントラストが低下することや骨髄信号が低下することが指摘されている。三重大学の佐久間 肇先生は先日の第37回断層映像研究会において,同じ患者に1.5T装置と3T装置で心臓の造影MRIを行ったところ,コントラストは3T装置の方が明らかに優れていたと報告されていた。SNRの向上と同時に,T1緩和の延長に伴い,Gd造影剤による造影効果が強調された可能性がある。高磁場であることがGd造影剤の造影効果に貢献するのであれば, 1.5T装置と同じ増強効果を得るには,3T装置の方がより少ない造影剤量で済む可能性がある。最近,にわかに注目されているNSF発症のリスク軽減にも繋がる可能性がある。
NSFは,現時点で本邦では十分に把握されきれていない。しかし,確かなのは透析患者や高度腎機能障害患者にはGd造影剤を投与すべきではないことである。先日,日本医学放射線学会と日本腎臓学会とで構成される「NSFとガドリニウム造影剤使用に関する合同委員会」から,「腎障害患者におけるガドリニウム造影剤使用に関するガイドライン」が発表された。そのポイントは,Gd造影剤による造影MRI検査を施行するにあたっては,日本腎臓学会が性別,年齢,血性Cr値から作成したeGFR(推定糸球体濾過量)を使用して腎機能を評価すること,eGFRが30ml/min/1.73m2未満の患者および透析患者には,非造影MRI検査を含む他の画像検査で代替し,eGFRが30~ 60ml/min/1.73m2 の患者では利益と損失のバランスを検討した上で慎重に投与することの2点である。
MRIは装置も,撮像法も,造影剤もX線画像とは桁違いに変化が激しい。常に安全性を第一に考えて,行きつ戻りつを繰り返しながら,医療の進歩に関わっていきたいものである。

 監 修
   編集委員

高橋 睦正

熊本大学名誉教授

 

大友  邦

東京大学大学院医学系研究科
放射線診断学

     

小澤 栄人

埼玉医科大学国際医療センター
中央放射線部

     

杉村 和朗

神戸大学大学院医学系研究科
放射線医学分野

     

高橋 昭喜

東北大学大学院医学系研究科
量子診断学分野

     

福田 国彦

東京慈恵会医科大学放射線医学講座

     

松永 尚文

山口大学大学院医学系研究科
情報解析医学系学域放射線医学分野

     

山下 康行

熊本大学大学院医学薬学研究部
放射線診断学部門


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