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Volume 9 No.2 August 2008
JMRI ■ JMRI
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『MRI in Medicine 日本語版Volume9 No.3』を読者のもとにお届けします。本号は東京慈恵会医科大学の福田教授と教室の先生方を中心に各論文に対する適切かつ,すばらしいコメントをいただき完成することができました。担当された先生方に心から感謝の意を表したいと思います。
本号の巻頭言では福田教授がガドリニウム造影剤を腎障害症例に投与した後で発症する腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis;NSF)について述べておられます。筆者も本誌の『Volume8 No.3』の編集後記で,本症について考察し,MRI診療でガドリニウム造影剤を使用するにあたっては細心の注意を払うべきことを強調しました。
以後,この問題は日本医学放射線学会などの会員からも注目され,様々な学会,研究会等で取り上げられ議論がなされています。2008年8月には日本医学放射線学会ならびに日本腎臓学会からガイドラインも作成・発行され,現在,放射線医学のトピックスといっても良いほど多くの話題が提供されています。2007年にはFDAと厚生労働省が,ガドリニウム造影剤の添付文書にNSFについて注意を促す文章の記載を求めています。
NSFについて最近明らかになったこととして,腎障害症例でのNSFの発症頻度は造影剤の種類によってかなりの相違があること,造影剤の用量が大きく関与することが報告されています。今回のガイドラインではeGFRが30ml/min/1.72m2未満の場合にはMRI検査は他の検査法で代用すべきであり,eGFR 30~60ml/min/1.72m2においてはMRI検査の利益と危険性を十分に考慮の上,使用すべきとされています。
さらに,本症の発生について,1)造影剤のキレート安定定数が低いほど NSFの発症頻度が高いこと,2)MR血管造影,脳転移検索のための2倍量投与後や2回以上連続投与の症例で発生頻度が高いこと,3)感染症,血栓症,免疫能低下,血液凝固異常,高カルシウム,高リン酸血症等が本症の誘発因子になりうると報告されています。
ガドリニウム造影剤をMRI診断に用いるに当たっては,腎障害の有無について細心の注意を払って適応を決めて検査することが求められます。従来,ガドリニウム造影剤には副作用はほとんどないとされてきましたが,知見の集積とともに“薬剤には効能とともに副作用のある”ことをガドリニウム造影剤についても銘記すべきと思われます。

 

(熊本大学名誉教授 高橋 睦正)

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